一応、頑張ってはいる
私が30代無職になったきっかけは、前職で仕事が出来ない自分を追い込み、睡眠時間を削って長い時間働き続けた結果、医師から適応障害と診断され、仕事を続けることが難しくなったからです。周りの人は当たり前のようにこなせている仕事でも自分にとっては大きな山にしか見えず、どうしてそんなにサクサク進めることができているのか、不思議で仕方がありませんでした。
その原因を突き止めるべく、自分の仕事を振り返ってみたところ、明らかに良く無かったこととして、目の前の集中しなければいけない仕事よりも、メールチェクやその他細々とした、考えなくても出来る仕事から手をつけていたことです。つまり、頭を使った仕事を後回しにする癖がついていました。やり方がわかっていない仕事に対しての苦手意識は相当なもので、なんなら他にやることがなくても手を付けるのを億劫に感じ、タバコを吸ったり、書類の片付けをしたり、関係ないことで時間を潰す始末でした。夕方になってやっと「やらないとまずい」とお尻に火がついて、時間外労働で一人頭を悩ませるようなことをしてばかりでした。
今後の働き方を改善するべく、またこの後回し癖を治すべく、元マイクロソフトエンジニアの中島聡さんという方が書いた「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である」を読んでみたので、内容に触れながら感じたことを書いていきたいと思います。
気づき
- 「いつもいっぱいいっぱい」ではダメ
- 締切を守れたことの方が少ない
- 仕事のモチベーションなんて持ってたっけ、、、
今後に活かしたいこと
- 脱・ラストスパート志向
- ロケットスタート時間術
- やりたいことをやる
終わりに
気付き
「いつもいっぱいいっぱい」ではダメ
これまで、上司やお客さんから仕事の依頼をされたとき、「なるべく早くやってもらえないか」と言われたら、「今日・明日で出来るよう急ぎます」と威勢の良い返答をするのが当たり前でした。その時点でもともとタスクが予定されていることにはお構いなしで、そう答えなくてはいけないものだと思い込んでいました。しかし、中島さんはこのがむしゃらスタイルを否定しています。そんな仕事の受け方をすると、自分が無理をするしかなくなってしまうのが明白だからです。仮でも締め切りを設け、他の業務と調整し、それでも難しいようであれば期限の延長を打診するのは当たり前のことですが、意外とそんなことも意識したことがないほど、これまで「言われたことは絶対」のスタンスで仕事をしていたことに気付かされました。
締切を守れたことの方が少ない
中島さんが働いていたマイクロソフトといえばあの有名なビル・ゲイツですが、彼は締め切りが守られないことを異常なまでに嫌うそうです。締め切りというものは、絶対に守らなければいけないという認識がないと、高確率で遅れてしまうものだと語られていました。なぜなら、トラブルやイレギュラーが起こることは当然なので、そういった可能性をあらかじめ想定して段取りを組んでおかないと、スケジュールは守られないからだそうです。確かにおっしゃる通り、自分に置き換えて考えてみると、いつも仕事の期日を見積もるよう言われた時には、努力目標として設定しており、急遽対応が必要な作業が入ったから、他の人との連携ができなかったからといいわけを並べて、当たり前のように目標としていた期限を過ぎてしまっていました。また、期限が守られたとしても深夜・早朝残業で無理やり間に合わせるというやり方ばかりでした。
仕事にモチベーションなんて持ってたっけ、、、
仕事に対する集中力が低いことも、改善したいポイントだと思っていたのですが、中島さん曰く、「好きなことならやってて楽しいんだから、好きなことを仕事にしないと集中なんて出来ないよ」とのことでした。なんて時代錯誤な理想論なんだと悲しくなったのですが、言われて改めて仕事のモチベーションを考えてみたところ、「生活に困らないだけのお金が欲しい」「同級生に聞かれて恥ずかしくない仕事をしたい」「出来るだけ楽な仕事が良い」と、仕事の内容に対しはモチベーションをほとんど持っていなかったことがわかりました。そりゃ集中して良い仕事なんて出来るわけないか、と落胆したのですが、この問題を解消する2つの道があります。1つは今の仕事を好きになること、もう一つは好きな仕事に携わるために今の仕事を頑張ることです。どっちにしても今の自分には高いハードルですが、この問題に対しては真摯な姿勢で向き合っていきたいと考えています。
今後に活かしたいこと
脱・ラストスパート志向
ラストスパート志向とは、仕事の期限目前になってお尻に火がついた状態で、火事場の馬鹿力で仕事をやっつけるやり方のことだそうです。自分もそうですが、実際多くの人がこのような取り組み方をしているのではないかと思っています。ただ、次に説明する「ロケットスタート時間術」を理想とする中島さんの考え方からすると、諸悪の根源はこのラストスパート志向なのだそうです。これは常に仕事に追われている感覚を生み出し、仕事が締め切り間に合わない原因になり、組織での評価下落を招くので、「後でなんとかしよう」という考え方が非常に危険だと胸に刻んでおきたいと思います。
ロケットスタート時間術
締め切りまでの2割の時間で8割の仕事の完了を目指すのが、このロケットスタート時間術です。2割の期間で8割完了しない場合は、期日までの完了が難しいとして、締め切り日を延長してもらうのだそうで、初めに大部分を片付けてしまうからこそ、その後に余裕が生まれるという理論でした。この2割の時間はイメージとして「界王拳20倍」で超集中し、残りの時間は流して働くのですが、流しの間には昼寝をしたり、勉強をしたり、メイン以外の仕事に取り組むやり方です。こんな仕事の仕方は出来ないですが、2:8の割合でスケジュールを考える・集中度を変えるという考え方自体は使えそうなので、普段の仕事に落とし込んでいきたいと思っています。
やりたいことをやる
「集中出来ない」「仕事がうまく処理できない」「後回しにしてしまう」という諸々の悩みの根源は、やりたい仕事ではないからだと指摘しています。これは究極の理想論だと思います。誰だってやりたいことを仕事にできていれば、仕事で苦労を感じることも少ないと思います。ただ、そうできない理由があって、誰しも我慢しながら仕事をしているのは間違いないです。
ただ、だからと言ってやりたいことを諦めるのはおかしいと思いました。好きなことをやりたいというモチベーションは、理論上全ての壁を吹き飛ばすことができます。そして、大きな仕事を成し遂げる人は、須くこのモチベーションを活動源にしているとのことで、いかに自分がやりたいと思えることを作るか、またそれが出来るかを考える頭を持っていないと、頑張れないのだと思い出させられました。
終わりに
この本は、仕事にはスタートダッシュで取り掛かるということと、好きなことをやるという2点が大きな論旨でした。時間をどう作り出すか、細かいテクニックばかりを求めてしまいますが、このようなそもそも論に触れ、心が熱くなるのを感じることも、読書経験として大事なことで、この本に出会えたことは、自分が強くなる一つのきっかけになったのではないかと感じています。