私よしおは無職の30代男性ですが、無職となったきっかけは前職であまりにも仕事が出来ず、苦しくなって逃げ出したからです。当時私は振られる仕事の進め方がどれも全くわからないにもかかわらず、中途採用で即戦力であることを求められていたこともあり、自分でなんとかしようと奮闘していました。しかし、進め方がわからないのでどこからどう手をつけて良いかも検討がつかず、やり方を教えてもらった仕事でも周りの年下社員より時間がかかる始末。完全にお荷物社員となってしまった状況に耐えられず退職することになってしまいましたが、もしかするともっと早くこの本に出会い、書かれた仕事術を活用できていれば結果が変わっていたのではないかと後悔しています。それほど、身についていない仕事の大事な考え方・やり方について解説してくれていて、非常に学びの多い一冊だったと感じています。
気づき
- 目に入るタスクに飛びつくように取り掛かっていた
- 「出来ないものは後回し、届いたメールは即座にチェック」は最悪
- 自分でなんとかしようという誤った頑張り
To Do
- 手順書を作る習慣
- 工程を細分化
- 仮でも期限を設定(「なるはや」はNG)
- 担当ボールの持ち主を明確に
- Google Keepを活用
- 仕事のミスを減らす習慣
- ひたすら「聞く」に集中
- 仕事に区切りをつける習慣
- 工程として「しまう・閉じる」を加える
- 仕事を終わらせることに集中する
目に入るタスクに飛びつくように取り掛かっていた
当時私は仕事の進め方がわからず、作業の手が止まってしまうことがよくありました。ただ、会社では仕事の時間を減らすように効率化を迫られます。そんな中、常に焦っている私はとにかく仕事が前に進んでいる実感が欲しいため、取引先からのメールや、社内向けアナウンスが届くたびにそれに反応し、すぐにでも自分が取り掛かることができる作業に飛びついていました。それが重要な仕事に取り組んでいる間であってもです。わからないことを後回しにした結果定時後に誰に頼ることもできず、ただ一人で頭を悩ませて、ああでもないこうでもないと時間を浪費してしまっていました。「出来ないものは後回し、届いたメールを即座にチェック」は作業効率を招く最悪の習慣だったと反省しています。
自分でなんとかしようという誤った頑張り
仕事というのは、一人で完結できないことが当然です。仕事を振ってくる上司は、その人一人でそれができるから振っているわけではなく、担当として割り当てているだけにも関わらず、何でもかんでも自分の力で完結させようとするのは、非効率的な頑張りだと言えます。前々職での慣習としては、仕事の中の細かい工程まできっちりレクチャーした上で、仕事を振るのが当然でした。しかし、それが社会一般的ではないことに入社して初めて気付かされました。振られた仕事のゴールまで、工程を設計するのは振られた人の責務ですが、その中身については各人で協力して進められるべき、と考えないと、自分を必要以上に追い込んでしまうということに気付きました。
手順書を作る習慣
手順書というのは、仕事を完了するまでの工程に順番をつけ、いまどの作業に取り掛かれば良いかステータスがわかるようにまとめたメモです。この手順書を作っておけばいつでもTo Doや進捗の確認が出来て、要領が悪い人でも迷わず仕事ができるというお守りのような存在になります。このメモを作っている人は多くないと思いますが、仕事ができる人は自然と頭の中で似たようなことができていたり、別の形で実践しているもので、自分の頭で管理ができない自分は、このメモの活用を習慣付けたいと思っています。
また、仕事を教えてもらったとしても、それを当該の案件を進める上でしか使うことができず、汎用性を持たせて自分の知識にするということができていませんでしたが、教えてもらった仕事についても手順書を作ってアーカイブしておくことで、似たような仕事に取り掛かる際の参考にすることができます。内容整理と自分の成長に役立つ手順書はまさしく自分に必要なツールだと感じています。
工程を細分化
私が陥った「仕事にどう取り掛かるかわからない」の正体は、仕事完了までの工程を細分化し、どの順番でなにをやれば良いかというところまで考えることができていない、ということだと思っています。そこで必要なのが、とにかく工程を細分化して、どこで躓いているのかを明らかにすることです。わからない部分を誰かに教えてもらおうにも、どこで躓いているかがわからなければアドバイスももらえません。まずは自分が迷うことがないという粒度まで細分化することが必要です。
仮でも期限を設定(「なるはや」はNG)
細分化することで工程を全て書き出すことができたら、次はそれぞれの期限を設定することが必要です。期限の設定をしておけば、次にどの工程に取り掛かるべきかに迷うことがなくなり、また締め切りがあることで緊張感が生まれ、間に合わせるためのスケジュール組みができるようになります。反対に期限の設定がないと、どうしても後回しにしてしまったり、いつの間にかもう間に合わせることができないという事態を招くことになる可能性があります。工程が進む中で期限を修正していけば良いので、着手時には自分の尺度で期限を設定していきたいと思います。
担当ボールの持ち主を明確に
自分一人で仕事を完遂させられることは稀で、社員同士で担当のボールを回しながら進めていくケースが多いはずです。また、自分で出来ると思っていることでも、他の人の力を借りることでより効率的に進められることも少なくないでしょう。何でも自分でやることだとボールをたくさん持ってしまうとパンクしてしまう原因になるので、どこでボールを誰にパスするべきか、手順書の段階で設計することを意識したいと思います。
Google Keepを活用
上記3つのポイントを押さえておけば、手順書は自分のやりやすい形で作成して問題ありません。私はiPad、iPhone、PCと複数のデバイスを使用するので、どの端末からでもアクセスできるWebアプリケーションが良いというのと、多くの会社で使用されるGoogleサービスが良いと考えたので、Google Keepというメモツールを使用することにしました。一旦使い始めてみて、特に良くない点は見つからないので、しばらくGoogle Keepを手順書作成ツールとして使用していきたいと思います。
仕事のミスを減らす習慣
ひたすら「聞く」に集中
めちゃくちゃミスが多い私ですが、受けた指示や聞いた話を正確に理解できていない、覚えていないということが原因のことが結構あります。「次はなにを話そうか」「あの案件聞かれたら困るな」などと別のことが頭をよぎりますが、とにかく大事なのはまず相手の話を誤解せずしっかり聞き取り、必要事項のメモを取ることです。「聞いてメモできればOK」という気持ちで、ひたすらそこに集中するのが大事です。もし可能であれば、このタイミングで躓きそうな部分について質問できると、後々の案件進行がスムーズになるため、慣れてきたらここにも注意して話が聞けるようになりたいと思います。
仕事に区切りをつける習慣
工程として「しまう・閉じる」を加える
仕事をしていると、開きっぱなしのファイルやブラウザタブがものすごい数に増えてしまっていました。それらを閉じてしまって良いのか、時間を置いてその判断をするにも手間がかかってしまいます。作業が終わったものは完了したことがわかるように、きっちり「しまう・閉じる」というところまでを工程として捉えておくのが良いと思います。
仕事を終わらせることに集中する
人目を気にするタイプの私は、仕事でわからないことがあっても「これを聞くと無能だと思われてしまうかな」「今は大変そうだから声をかけない方が良いかな」と、人を頼るのに躊躇ってばかりでした。しかし、私にとって最も重要なことは、仕事を完了させることです。ここは覚悟を決めて自分に鞭を打ち、仕事を終わらせるということにフォーカスした行動を取ることが必要です。結果、仕事がうまくいけば成功体験の一部として慣れていくはずなので、まずは恥を偲んで他人を頼ることをしていきたいと思います。
おわりに
私が前職で仕事ができなかったのは、仕事のやり方がわからないから、仕事に慣れていないから、教えてもらうことに躊躇っていたから、その他諸々ありますが、決して自分に決定的な欠陥があって無能だからだと考えないようにしています(というか、そうではないと信じています)。失敗には必ず理由があって、それを一つずつ振り返り、次同じ失敗をしないように準備をすれば、必ず出来る様になるはずです。確かに私は周りよりも色んなことに慣れておらず、できないことも多く、実力が見合わない環境に身を置いてしまったことは認めています。しかし、着実にやるべきことをこなしていくことで、自分でも活躍できると強く思っています。これからもその気持ちを忘れず、チャレンジを続けていきたいと思います。