人前で緊張するのをなんとかしたい

本の紹介

先日、就職面接を受けたのですが、結果は散々で、思い出すと恥ずかしくなるくらいに、話す言葉はたどたどしく、質問に答えることにいっぱいいっぱいで、自分の魅力のアピールなんてさらさらできませんでした。話す内容はある程度事前に用意していたつもりでしたが、本番では緊張で準備したことですら話すことができなかったのです。

もともと人前で喋ることは、その場面を想像しただけで血の気が引いてしまうほど苦手です。流石にこんな面接で採用されっこないですし、これから社会で生きていく上では、このままではいけないと思い、樺沢紫苑さんの「いい緊張は能力を2倍にする」を読んでみました。緊張に強くなるためのポイントがかなりたくさん書かれていたので、それぞれを少しずつ紹介したいと思います。

目次

緊張とはなんぞや

副交感神経を優位に

  • 深呼吸
  • ゆっくり話す
  • 筋肉をほぐす
  • 笑顔
  • 睡眠
  • 自律神経の乱れを整える
    • 片鼻呼吸
    • 自律神経訓練法
    • 睡眠トレーニング

セロトニン活性法

  • 朝日を浴びる
  • リズム運動
  • 朝食を取る
  • ガム
  • 姿勢を正す

ノルアドレナリン・コントロール術

  • 徹底して準備する
  • 正しくフィードバックする
  • イメージトレーニングをする
  • ポジティブワードをつぶやく
  • 前頭前野を活性化させる

マインドチェンジ術

  • 「相手のため」を意識する
  • 感謝する
  • 目的にフォーカスする
  • 対処法を明確にする
  • 完璧主義から最善主義へ
  • 緊張するかどうかは「前日までに9割決まる」

その他

  • 想定問答集を作る
  • ネタ帳で話題をストック
  • テンションを上げるには

終わりに

緊張とはなんぞや

わたしはこれまで面接やプレゼン、テストといった重要な場面では、気分が悪くなったり、頭が真っ白になったりと、緊張のし過ぎが引き起こす症状によって、幾度となく苦しめられてきました。しかし、一流アスリートはヒーローインタビューで、ファインプレーの要因は良い緊張感を持てたことだと語ります。その話の通り、完全なリラックス状態よりも、緊張が一定量あった方がパフォーマンスが上昇するため、本来緊張とは必要なもので、大事なのはその度合いです。適正な距離感で緊張と上手に付き合うためのポイントを、様々挙げていきたいと思います。

副交感神経を優位に

交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキのような役割を果たす自律神経で、交感神経が優位になると緊張が強まり活動的になりますが、副交感神経が優位になるとリラックスの状態で休息モードに入ります。この自律神経のバランスを整えることで、いき過ぎず適度な緊張を手に入れることができます。

深呼吸

「1分深呼吸法」を推奨。①5秒で鼻から息を吸う ②10秒かけて口から息を吐く ③さらに5秒かけて、肺にある空気を全て吐ききる これを3回繰り返すとちょうど1分間で、過緊張を鎮める効果があります。

ゆっくり話す

「早口になる」ことは呼吸が浅く、交感神経が優位になり、緊張していることの証拠です。その逆として話すスピードを3割ダウンすることを意識すると、緊張も抑えられます。

筋肉をほぐす

①首まわし ②手先ブラブラ ③肩ストン ④腕ストン ⑤ツボ押し(合谷[親指と人差し指の分かれ目のくぼみ]、神門[手首の関節の小指寄りの端])

笑顔

10秒笑顔を作るだけで、副交感神経がオンに。

睡眠

睡眠が不足していると交感神経が働きがちに。不安や恐怖に対する扁桃体の活動が亢進するため、7時間は睡眠が必要です。

自律神経の乱れを整える片鼻呼吸

ヨガでは「ナーディ・シュッディー」と呼ばれ、6大呼吸法の一つ。①右手親指を右鼻、人差し指を左鼻に ②右鼻をふさぎ、左鼻から息を吸う ③左鼻を塞ぎ、右鼻を開き、右鼻から息を吐く ④そのまま、右鼻から息を吸う ⑤右鼻をふさぎ、左鼻を開き、左鼻から息を吐く ⑥これを交互に、5〜10分継続

自律神経訓練法

最も一般的な自律神経訓練法は、背景公式と第1公式から第6公式の計7つの公式からなります。椅子やソファーに腰かけるか、仰向けに寝た状態で行うのですが、内容は少々複雑なので、以下を参考ください。
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_216.html

睡眠トレーニング

寝つきをよくするトレーニングで、寝る前2時間をいかにリラックスして過ごすかによって、自然と深い睡眠に入っていきます。以下の9点は寝る前2時間には避けるようにします。①食事 ②飲酒 ③激しい運動 ④熱い風呂 ⑤視覚系娯楽(ゲーム・映画) ⑥光るものを見る(スマホ・PC・テレビ) ⑦明るい場所で過ごす ⑧カフェイン摂取 ⑨喫煙

反対に、寝る前2時間に推奨されるのは以下の7点です。①のんびり過ごす ②ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる ③ストレッチなどの軽い運動 ④家族とのコミュニケーション ⑤リラックスする音楽 ⑥読書 ⑦ペットとのたわむれ

セロトニン活性法

セロトニンは「落ち着き」「平常心」をもたらす、癒しの脳内物質です。セロトニンがものすごく低くなると「うつ」状態になります。また、他の脳内物質を調整するのもセロトニンの役割で、緊張の本質である「ノルアドレナリン」の分泌調整も担っています。そんなセロトニンを活性化する方法を挙げていきます。

朝日を浴びる

セロトニンの合成は朝起きてからスタートし、午前中にピークに達します。曇天でも雨天でも、朝日を浴びることが非常に重要な方法です。

リズム運動

最低5分、15〜30分の間、ウォーキング、ジョギング、自転車、水泳、ダンス、ラジオ体操など、「1、2、1、2、」の掛け声でできるリズミックな運動を行うことが推奨です。この時、色々と考え事などの「ながら」は禁止です。

朝食を取る

咀嚼=リズム運動で、朝ごはんを食べるだけでセロトニンは活性化します。

ガム

ガムを噛むという動作もリズム運動となるので、セロトニン活性化の1つです。

姿勢を正す

セロトニンは抗重力筋のコントロールもしており、背筋を伸ばすことにより逆にセロトニンを活性化することが可能です。姿勢が悪いと深呼吸ができなくなることもあり、姿勢は正しいに越したことがありません。

ノルアドレナリン・コントロール術

ノルアドレナリンは緊張そのものと言える脳内物質ですが、元々は原始人が猛獣と出会ったときに出る脳内物質で、戦うか逃げるかを一瞬で判断して行動するための物質です。つまり、ノルアドレナリンは脳を研ぎ澄まし集中力・判断力を高めます。アドレナリンも同じ「闘争か逃走か」の物質と言われていますが、脳に働きかけるのがノルアドレナリン、心肺機能や筋肉に働きかけるのがアドレナリンという解釈です。そして、脳の危険感知システム「扁桃体」はノルアドレナリンのコントロールセンターと考えることができ、いま置かれている状況が安全か危険かを1000分の2秒で判断を下す、危機回避になくてはならない存在です。このあたりの関係を踏まえて、緊張に強くなるためのポイントを5つ紹介します。

徹底して準備する

過緊張しやすい人ほど、予行演習をしない傾向があるそうです。予行演習が成功すると成功体験として脳にデータがストックされ、自信につながります。本番が終わってから「もっと準備しておくべきだった」と後悔しないよう、「タイムマシーンで戻っても、やり残しはないか?」と自問自答しながら、十分に準備されていれば、緊張をする必要はなくなります。

正しくフィードバックする

緊張に弱い人は、自己評価が低いことが言えます。例えば同じセミナー発表でも、「全然駄目だった、、、」と「まあまあできました」のどちらとして評価するかで、脳はそのセミナー発表が成功だったか失敗だったかを判断します。そして、よく失敗する状況=危機的状況と脳は捉え、同じような場面を危機的と判断し、緊張が引き起こされます。フィードバックは適正に、成功ポイントを自信に、失敗ポイントを対策につなげていくようにしましょう。

イメージトレーニングをする

脳はイメージと現実を区別できません。本番前にイメージ内で成功体験を積んでおくと、脳が必要以上に緊張しなくなります。

ポジティブワードをつぶやく

言語情報は扁桃体を鎮静します。肯定的な言葉を口に出す「アフォメーション」という手法が有効で、①「私」を主語にする ②現在進行形を用いる ③断定系を用いる この3点を踏まえた上で、おまじないのようにそれを唱えることで、目標達成に近くと言われています。やってはいけないのは、否定後を使うことで、「わくわくする」などのポジティブワードを使うことが重要です。

前頭前野を活性化させる

前頭前野は「思考・運動・創造を司る最高司令塔」と呼ばれ、以下の9つの方法で鍛えることができます。①睡眠 ②運動 ③自然に親しむ ④読書 ⑤記憶力を使う ⑥暗算 ⑦ボードゲーム ⑧料理 ⑨マインドフルネス

マインドチェンジ術

緊張は、メンタルを切り替えるだけでも、一定量緩和させることが可能です。

「相手のため」を意識する

我欲を捨て、「フォーミー」から「フォーユー」へ切り替えることが大事です。例えば観衆がいる場面では、「大勢に見られている」から「彼らを見ている」という感覚になることも重要です。

感謝する

感謝によってセロトニン、ドーパミン、エンドルフィン、オキシトシンといった、重要な4つの脳内物質が放出されます。

目的にフォーカスする

緊張しやすい人ほど、本来の目的と直接関係ない部分で不安を強めているケースが見られます。最終的に達成すべき目的にのみフォーカスし、余計なことは考えないことが重要です。

対処法を明確にする

人間は「どうにもならない」ことに対して最大のストレスを感じます。逆に、どんなに苦しくても自分でコントロール可能であるならば、ストレスになりにくいということです。つまり、緊張する場面の対処法を用意しておくことにより、そもそもその場面で緊張するリスクを下げることができるのです。

完璧主義から最善主義へ

完璧主義は自分自身を追い詰めるだけです。今の状況の中で最善を尽くす、最善主義を目指しましょう。

緊張は「前日までに9割決まる」

緊張は、準備によって抑えられるものです。緊張する必要がなくなるくらい、しっかりと準備することを心がけましょう。

その他

想定問答集を作る

面接、プレゼン、セミナーなど、相手から質問が飛んでくる場面を迎える前には、想定問答集をつくっておきましょう。10問で70%、30問で90%、100問で99%の質問をカバーできます。

ネタ帳で話題をストック

人と話すとき、なにか企画を考えるとき、普段から自分の身の回りに起きたことをネタとして持っておくと便利です。様々なジャンルでいろんな話をストックするようにしましょう。

テンションを上げるには

これまでずっと緊張を抑える方法に触れてきましたが、リラックスし過ぎの状態からアクセルをかけることも重要です。①カフェイン摂取 ②テンポの良い音楽 ③シャウティング

終わりに

これまで緊張する場面に対し、「自分はこれ以上ないくらい準備をして臨んだ」と自信を持てたことはありませんでした。食事や生活習慣など、緊張を抑えるための様々なポイントを紹介しましたが、最も大切なことは緊張しそうな場面から目を背けて逃げてしまわずに、しっかりと向き合って準備をすることだなと、改めて感じました。

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